近い将来、事業を承継して建設会社の経営者となる皆さんは、それぞれの戦略をお考えのことと思います。
建設業許可の取得もその中の一つではないでしょうか。

 

他方、現経営者がこれまで建設業許可を取得しなくても、ここまで成長させてきたのだから、今後もこの方針を受け継いでやっていきたい、という考えもあると思います。
そのような会社は、現経営者が長い年月をかけて地元の業界内で良好な関係を築いてきたのではないでしょうか。
建設業許可を取得しなくても、地元の業界内で仕事を割り振ってもらえたので、わざわざ許可を受けて事務作業を増やすことはない。軽微な工事で充分である。そのような考えもあると思います。

現経営者が退いて、皆さんが経営陣として会社の舵を切ることになったとき、現経営者の仕事仲間や取引先の中に加わって仕事を取らなければなりません。
それができるのでしたら良いのですが、本当にできるのでしょうか。

 

たとえ、現経営者とあなたが親子関係であったとしても、全くの別人格です。考え方や行動の仕方も違うはずです。
仕事仲間や取引先の方々からすれば、全くの新人が現れた、と捉えることもあり得ます。むしろそれが自然な流れのように思います。

 

それでも経営者となる皆さんは、これらの方々との良い関係を作り上げる努力をしなければなりません。皆さんもそれはご認識されていることと思います。

 

後継者としてのその努力はとても大事なことであり、やらなくてはならないことですが、あくまでもそこは「現経営者が作り上げたマーケット」なのです。

 

私が建設会社に勤務していた時にお世話になった方が、現在地元の土建会社で働いていますが、そこの2代目社長が営業活動で苦しんでいるそうです。そう、先代経営者が作り上げたマーケットに入り込めず、現場に足を運ぶことすらできない状態になっているようです。その結果、従業員からの信頼も薄れつつあり、今後の見通しが明るくないようです。

 

きっと皆さんの中にも、このマーケットに飛び込むことに不安を感じている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
やはり、皆さんは皆さん自身のマーケットを作り上げた方が、仕事をしやすい環境になるのではないかと思います。もちろん現経営者のマーケットも大事にしつつです。

 

その対策の一つとして、建設業許可の取得についてお考えいただくのもよろしいかと思います。

建設業許可取得のメリット

①社会的信頼を得られます
②今まで受注できなかった工事を受注できるようになります
③建設業許可の取得前に比べて融資を受けやすくなります
④公共工事に参加するための第一歩になります

ここでは、あまり多くのことは記載しませんが、②と④は皆さんの新しいマーケット形成の第一歩になるはずです。

 

これまでは軽微な工事のみでしたので、受注機会が増える可能性があります。
また、誠実に事業に取り組み、法定の手続きを継続することにより公共事業への参加が視野に入り始め、下請会社としてではなく、元請会社を目指す会社風土を醸成することができるかもしれません。
それにより社員からの信頼も高まるのではないでしょうか。

 

建設業許可取得には多くの要件がありますので、当事務所のホームページをご覧いただくか、国土交通省、各自治体のホームページでご確認ください。

 

要件が多くても、それをクリアすれば「建設業許可業者」として、新しいマーケットを形成できるのです。新しい取り組みをやってみませんか。

建設業許可業者の動向

国土交通省のデータによりますと、平成29年3月末時点での全国の建設業許可業者数は46万業者で、減少傾向が続いているようです。
千葉県内の建設業許可業者数は1万8千業者です。

 

減少傾向の要因は、工事発注量の減少もその一つであると思われますが、退場していく業者がいることはチャンスであるかもしれません。
建設業許可を取得したからと言ってすぐにその効果が出るわけではありません。
毎年誠実に取り組むことで、受注機会が得られるものだと思います。

 

継続してきた者の方が、強いと思いませんか。

これから少しずつ実績を積み上げていきましょう!

 

 

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